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カラダに悪い乳酸菌もいる? 賢い乳酸菌入り食品の選び方とは

カラダに悪い乳酸菌もいる? 賢い乳酸菌入り食品の選び方とは

ドラッグストアやコンビニにたくさん並ぶ乳酸菌入りの食品。いろいろな事が書いてあるけれど、結局どれを選べば良いのかわからないですよね。そこで、乳酸菌の分類について研究されている東京農業大学の石川森夫先生(応用生物科学部醸造科学科准教授)に賢い乳酸菌の選び方を伺いました。

■乳酸菌なら全部カラダにいいの?

──そもそも乳酸菌って、どんなものなのでしょうか?

「栄養を取り入れて乳酸を出す細菌です。乳酸菌という呼び方はグループの名前なので、中にはいろいろな細菌がいます。一般的には栄養がたくさんある環境にいると言われていますが、貧栄養なところにいる乳酸菌もいますし、人に害を及ぼすようなタイプの乳酸菌もいます。例えば、虫歯を引き起こすミュータンス菌も乳酸菌の一種です。なので『乳酸菌だから体に良い』とは必ずしも言えません。

とはいっても、食品として人が食べてきた乳酸菌は人の体に悪い影響はないはずです。漬け物やヨーグルトが有名ですが、乳酸の作用で腐敗菌を弱らせる効果があり、もともとは保存食として活用してきたんですね。近年、その中の数種類が人の体に良い影響を及ぼすことがわかってきたので、乳酸菌入りの食品も増えているわけです」

──ミュータンス菌も乳酸菌! ミュータンス菌が出す乳酸に歯がやられてしまうということなんですね。では食品に入っている乳酸菌にはどんなものがあるのでしょうか?

「食品に入って売られている乳酸菌商品は大きく分けて2つのタイプがあります。一般的に言われている『カラダに良い乳酸菌』(以下、乳酸菌と略す)とビフィズス菌です。この2つは、分類上はちょっと離れた所にあります。人の体での働きでは、乳酸菌は腸内に定着しにくい、ビフィズス菌は定着しやすい、という違いがあるんですね。

乳酸菌の多くは2~3日で体外へ排出されてしまいますが、ビフィズス菌は元々ヒトの腸内に定着しています。一方で、食品として摂取した乳酸菌・ビフィズス菌の多くは胃酸や胆汁酸などで腸に届く前に死んでしまうので、継続して摂取するのが望ましいです」

──なるほど随分違う物だったんですね。では、ビフィズス菌はなぜ体にいいのでしょう?

「ビフィズス菌は腸内で乳酸と酢酸を作ります。それが腐敗菌などの人体によくない菌を弱らせるので、腸内の環境が良くなるんですね。乳酸菌より強い影響があるので、ビフィズス菌が入っている商品は、それをアピールしていますね。ただ、ビフィズス菌は酸素や胃酸に弱いので、それを生かしたまま腸に届ける工夫をした商品でないと効果が期待できないかもしれません。

一方で、乳酸菌はある程度、酸素にも耐えるので、『生きている』とうたっている商品には乳酸菌が含まれているのかもしれませんね。乳酸菌の良い影響はいろいろありますが、大きいのはビフィズス菌が元気でいられるように手助けするということですね。なので合わせて取った方が効果は大きくなります」

──では、死んでいる乳酸菌、ビフィズス菌は効かないのでしょうか?

「死んでいるものでも効果はあります。乳酸菌、ビフィズス菌の死骸が、食物繊維のような働きをして、腸内にある栄養を抱き込んで排出するからです。そうすると腸から糖質が吸収されにくくなるので、血糖値の上がり方がゆるやかになるんですね。

また、肝臓で生成され腸に分泌されている胆汁酸というものがあるのですが、これも抱き込んで排出します。胆汁酸の原料はコレステロールなのですが、正常な人だと1日に10~15回程度は腸から吸収してリサイクルしています。それを1回で排出してしまうので、足りなくなってコレステロールをどんどん使っていく=コレステロールが減るという作用があります」

■花粉症やインフルエンザに効く乳酸菌とは?

──花粉などのアレルギーやインフルエンザに効くという話はどうなんでしょうか?

「健康な生活を送る上では、ちょうど良い免疫を保つことが大事なんです。免疫とは異物に対する反応のことですが、これが鈍感でも敏感でもダメなんですね。花粉症に効くと言うのは、その反応を鈍感にさせるということになります。人の体に害のない乳酸菌=異物を取り込んで、それに対応するトレーニングをして、本来反応しなくても良い異物に反応しなくなるということです。

インフルエンザは逆にインフルエンザウィルスに対する反応を敏感にさせていると考えられます。こうした作用はどの乳酸菌でも良いという訳ではありません。種類より細かい分類である『株』によって作用が異なることがわかっています。企業や研究機関はこうした株を大量に持っていて、特定の疾病に対応する乳酸菌の株を見つけて販売しています。なので○○株というのをウリにしている商品がありますよね」

──「○○株は××に効く」というのは、商品毎のキャッチコピーや説明をよく読まなければならないということですね。

「特定保健用食品(特保)や機能性表示食品は有効性を示す実験がなされているので、効果を期待して大丈夫です」

■どれくらい食べたらいいの?

──ヨーグルトや乳酸菌飲料以外にも、チョコやタブレットなどいろいろな商品で「○○億個配合」なんていう商品を見かけますが、それらについてはどう考えたらいいでしょうか?

「何に入っていても良いのですが、それが商品全体なのか、1mlあたりなのか、を気にしてみてください。1mlまたは1gあたり1億個くらいが摂取の目安になります。ちなみに、すごく有名な乳酸発酵飲料は1mlあたり5億個、1本で400億個の乳酸菌を摂取することになります」

──手元に1袋で100億個の乳酸菌配合と書いてあるタブレットがありますが、1粒(1g弱)あたりに換算すると3億個。少ない……! 漬け物って個数の表示をあまりしていないと思いますが、乳酸菌は量が多かったりしますか?

「スーパーなどで市販されている漬け物は、乳酸菌で発酵させているものが少なくなっています。京都などにある昔ながらの大きな漬け物屋さんの物なら発酵させていますが、塩分との関係もありますから乳酸菌目的で食べるのはちょっとムリがありそうです」


とても奥が深い乳酸菌の世界。目安を知ったことで、ドラッグストアやコンビニに並ぶ乳酸菌関連商品の見方がちょっと変わって、賢く選ぶことができそうですね。

(田中いつき+アリシー編集部)

written by

田中 いつき
田中 いつき
三十路のライター。年を取って、自分を好きになってきたかも。焼きマシュマロが好物。 あとは、コーヒーとチョコとアイスとパンがあれば生きていける。 趣味は散歩と昼寝。悩みは足が大きいこと。 料理、コスメ、雑貨、生き物の話題が好き。
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