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早寝早起きができない! 「概日リズム睡眠障害」ってどんなもの?
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早寝早起きができない! 「概日リズム睡眠障害」ってどんなもの?

本当は早寝早起きの生活がしたいのに、夜中になっても眠れない、朝どうしても起きられない……。そんな悩みをお持ちの方はいませんか? 怠けているわけでもないのに、生活リズムが崩れてなんとなくずっと不調が続いている方は要注意。もしかしたらそれって「概日リズム睡眠障害」かもしれません。

なかなか聞き慣れない言葉ですが、どんな病気なのでしょうか。今回、睡眠総合ケアクリニック代々木の理事長である井上雄一さまに、専門医の観点からお話を伺いました。

<井上雄一さまプロフィール>
医療法人社団絹和会理事長。医学博士。東京医科大学卒業、鳥取大学医学部神経精神医学助手、順天堂大学医学部精神医学講師などを経て2003年代々木睡眠クリニック院長に就任。現在は医療法人社団絹和会の理事長、東京医科大学睡眠学講座教授(2008年〜)を務める。日本睡眠学会、日本薬物脳波学会理事。

■概日リズム睡眠障害とは

──まずは「概日リズム睡眠障害」とはどのようなものか教えてください。

「概日リズム睡眠障害とは、社会生活を送る上で望ましい時間帯に睡眠を取ることができないという睡眠障害です。『毎日寝る時刻がずれ込む』『寝る時間が極端に遅い』など、体内時計の機能が変調してしまい、日常生活に支障をきたします。

具体的には概日リズム睡眠障害はいくつかのパターンに分かれます」

1)睡眠・覚醒相後退障害
寝る時間と起きる時間が極端に遅くなる睡眠障害です。若年層の1%以上に存在し、10〜30代に多い症状です。

2)睡眠・覚醒相前進障害
寝る時間と起きる時間が極端に早くなる睡眠障害です。こちらは高齢者に多い症状です。

3)非24時間睡眠・覚醒リズム障害
人間の体内リズムは実は24時間よりも長く、光を浴びることにより24時間に体内時計をセットするのですが、それがセットできずに寝起きのリズムが毎日少しずつズレてしまう睡眠障害です。これは目の見えない方などに多いです。

「ほかにもいろいろあるのですが、たとえば5時間以上の時差地域に行った際に起こる時差症候群(いわゆる時差ボケ)や、交替勤務(夜勤と日勤が不規則に生じる場合)が原因で寝起きのリズムが崩れてしまうのも、概日リズム睡眠障害の一種です。

一般の方には聞き慣れない言葉かもしれませんが、このように意外と身近なところにも存在している睡眠障害なんですよ」

──なかなか障害かどうかを見分けるのが難しそうですよね。一般的に「眠れない」というと「不眠症」を思い浮かべがちなのですが、いわゆる「不眠症」との違いはありますか?

「寝付けずに睡眠時間が短くなってしまう不眠症に対して、概日リズム睡眠障害は睡眠時間は正常か、若干長い場合が多く、『寝たい時に眠れない、起きたい時に起きられない』のが特徴です。全身倦怠感や気分のうつを生じることも多いですね。

夕方を過ぎると元気なのですが、朝は眠気やだるさ、立ちくらみ、食欲がない、などの症状がある、というのも概日リズム睡眠障害、特に睡眠・覚醒相後退障害の特徴のひとつです」

■寝る前のスマホは要注意

──特に若い人に多いのが「睡眠・覚醒相後退障害」だということですが、要因はなんなのでしょうか。

「遺伝型的に夜型になりやすい人というのも存在しますが、それ以上に、環境的なものや生活習慣が大きな要因となります。

そもそも人間は朝に光を浴びると体内時計のリズムを前進、夜に光を浴びると後進させます。この体内時計のリズムが変調することにより、障害が引き起こされるのです。

具体的には、極端な夜ふかしや、夜にまとめて仕事や作業をしたり、寝る前にスマホやPC、タブレットなどの液晶画面を見たり、といった個人の生活習慣がその要因に大きく関わってきます。特に液晶画面からの青色光(ブルーライト)を目にすることにより、自律神経が興奮し、体内時計のリズムが後ろにズレてしまうので要注意です」

──概日リズム睡眠障害を疑ったほうがよいパターンなどはありますか?

「基本的に3ヶ月以上症状が続いたら病気として考え、医療機関を受診すべきです。早寝早起きができない、というだけではなく、欠勤や遅刻が続くなどの社会生活に支障をきたす場合が多いので、そういった場合には、体内時計を整える治療をお勧めします」

──どのような治療をするのでしょうか。

「医療機関では、光を早朝に浴びるために光照射器などを使った治療を行うことがあります。また体内時計に関連したメラトニンというホルモンに作用する薬を使用することもありますね」

■より良い睡眠のために

──概日リズム睡眠障害にならないために心がけたいことを教えてください。

「まずは生活習慣を見直してみましょう。積極的に朝の光を浴びるようにしてください。休日の朝に外で運動をするのも効果的です。また、夜できることは朝でもできます。夜型化をエスカレートさせないように、夜の習慣を朝に変えるなど、夜ふかしを改善するようにしましょう。

そして内蔵にも体内時計はあります。最近は朝ごはんを食べない生活をする方も多いですが、朝・昼・晩、規則正しく3食を食べることが大切ですよ」

──最後に、睡眠の質に悩む若い女性に対して、アドバイスをお願いいたします。

「生活の夜型化は、身体的にも精神的にも健康被害をもたらします。心当たりのある方は、自分のライフスタイルを見直してみてくださいね」


あまりに身近で、そして誰しもに起こりうる概日リズム睡眠障害。筆者も心当たりがありすぎて、思わず自分の胸に手を当てて考えてしまいました。皆さんも毎朝スッキリと目覚められるよう、毎日の生活習慣をもう一度見直してみてはいかがでしょうか。

画像提供/睡眠総合ケアクリニック代々木

(伊東ししゃも+アリシー編集部)