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電車で行けるトルコ! 代々木の「東京ジャーミイ」でモスク初体験

第16回 私のしらない趣味の世界
都内でトルコ旅行気分♪
新宿にもほど近い東京のど真ん中・代々木上原。ここに、インスタに数多く投稿されている、美しいイスラーム教のモスクがあります。信者ではない人もマナーを守れば自由に見学できるとのことで、早速行ってみることにしました。

■ここだけトルコ!? モスクの存在感に圧倒される

小田急電鉄・東京メトロの代々木上原駅から徒歩5分ほど。井ノ頭通り沿いに進むと、周りとは雰囲気の異なる建物が見えてきました。
こちらが今回の目的地であるイスラーム教の寺院「東京ジャーミイ」です! まるでトルコのイスタンブールからヒョイっとつまみあげて、東京の景色の中にポンと置いたかのように思えるくらい、この場所だけ異国感たっぷり。
真下から見上げるとさらに迫力満点。周囲のビルよりも飛び抜けて大きい塔に圧倒されます。
異国ムード全開の建物を前に、「信者じゃないけど、本当に入っていいのかな?」と遠慮してしまいそうですが、あちこちの看板に「見学自由です!」と書かれ、意外にもウェルカムな雰囲気。ちょっぴりドキドキしつつ、階段横にある1階の入り口からお邪魔します。

■イスラーム文化を感じるデザインが目白押し

今回案内してくれたのは、東京ジャーミイで広報・出版を担当する下山茂さん。
「ここは1938年に、東京に移住したトルコ系民族によって開かれたモスクです。現在の建物は老朽化による取り壊し・再建を経た姿で、装飾はトルコ人職人や技術者によるもの。礼拝堂をはじめ、さまざまな場所にトルコやイスラーム教の文化が見られます。最近は写真撮影で訪れる若い女性が増えているんですよ」

トルコを思わせる意匠は、すでに1階ロビーにあります。下山さんが指さす先にあったのは、お花が描かれた絵皿や絵画。
「チューリップが描かれていますね。多くの日本人はオランダをイメージしがちですが、チューリップはもともとイスラーム文化圏の花で、男性が頭に巻く『ターバン』が語源です。トルコの礼拝堂にはチューリップがデザインされていることが多く、ここの礼拝堂にもたくさんありますよ」

礼拝堂には、1階ロビーから外へ出る階段を上って向かいます。
下山さんに促されて階段の天井を見上げると……
ペルシャ絨毯のような模様を発見!

「幾何学紋様が描かれています。幾何学とは、図形を研究する数学の一分野のこと。幾何学紋様は、数学の発展に大きく寄与したイスラーム世界を代表するデザインです。ここも撮影ポイントとして人気ですよ」

礼拝堂は、階段を上がった先に現れました。
アーチの連なりがとても美しい礼拝堂外観。横に広い建物なので、パノラマ撮影がおすすめです。
アーチの窪み部分にも細かな装飾がたくさん。真下から見上げると万華鏡のようです。
「窓の上には、イスラーム教の聖典の一節がアラビア語で書かれた、深いブルーの装飾タイルがあります。焼き物なので、よく見ると炎のムラがあり、とても味わい深いです」

外観だけでも趣向たっぷり。内部はどうなっているのか、期待が高まります!

■服装を整えて、いざ礼拝堂へ!

下山さんが「ここもインスタ用の撮影に人気があるんですよ」と語る扉から、早速礼拝堂の中へ。
中に入る前には必ず服装をチェックしましょう。イスラーム教の礼拝堂では、肌の露出の少ない服装がマナーで、女性はスカーフを持参して髪の毛を隠します。
筆者の服装がこちら。礼拝堂に入る直前に、手持ちのスカーフで頭をぐるりと巻きました。イスラーム教では女性を守るために、女性の美しい場所とされる髪の毛を隠すよう決められています。筆者のように前髪が見えるスタイルでも大丈夫だそう。(礼拝堂以外の場所は髪の毛を出していてもOKです)
ちなみに、露出の多い服装で来てしまった人でも、礼拝堂内の左側に用意されている黒いドレスで全身を覆えば見学可能です。
頭部を覆うスカーフの貸し出しもあり! うっかり忘れてしまった人はお借りしましょう。

■シンメトリーが美しい! 荘厳な礼拝堂に息を飲む

礼拝堂内は静けさに満ちていました。
静謐な空間にあったのは、植物紋様があしらわれた絨毯、幾何学紋様が描かれたステンドグラス、流麗なアラビア文字の装飾。
見上げた先には、存在感を放つ巨大なシャンデリアがあり……
さらに見上げると、中央に大きなドームが1つ、そのドームを囲む半ドームが6つ。「圧巻」「荘厳」なんて言葉も安っぽく感じられるほど、異世界のような空間が広がっていました。

「皆さん、この場所で息を飲みます。右側にある説教壇を除けば、完全な左右対称になっていて、この完璧なシンメトリーの美しさが見る人を不思議な感覚にさせるんです」
「この礼拝堂は基本的に六角形。宇宙を表す中央ドームの周りに6つの半ドームがあったり、シャンデリアを真下から眺めると雪の結晶のように見えたり、『6』という数字がポイントです。六角形はハチの巣などのように自然界にも存在する神秘の図形で、造形が非常に美しいんですよ」

ということは、この礼拝堂は自然界に通じる美しさなのかも。雄大な大自然を前にした時、言葉が出てこなくなる感覚に近いものを感じます。
ステンドグラスは、先ほど教えてもらったチューリップや幾何学紋様などで彩られています。

「キリスト教の教会のステンドグラスとの違いは、人物などを描いていないこと。イスラーム教では偶像崇拝が禁止されているので、植物や幾何学紋様があしらわれています」
壁面や窓際、柱などには、流れるようなアラビア文字の装飾が印象的です。これらもすべて、アラビア語で書かれたイスラーム教の大事な教えなのだそう。

■2階は女子だけの世界。眺めはさらに抜群!

入り口の頭上には、バルコニーのような2階席があります。
「2階は女性の礼拝所で、男性の立ち入りは禁止されています。人間は異性に興味を持つようにできているので、礼拝に集中できるよう、男女のスペースを分けています。

よく誤解されがちなのですが、決して差別をしているわけではありません。学校に男子校・女子校という区分があるように、形式が異なるだけで、礼拝の機会は平等なのです」

階段を上ると、礼拝堂内を見渡せる、開放感いっぱいの空間が広がっていました。
2階から撮影すると、同じ空間でもより奥行きを感じる一枚に仕上がります。

■イスラーム文化や世界の広さを知ってほしい

見学中、モスクの美しい装飾を通して、さまざまなイスラーム文化を教えてくれた下山さん。日本人に、もっとイスラームのことを知ってほしいと語ります。

「例えば、『コーヒー』はアラビア語で、皆さんが普段使っている数字もアラビア由来。カメラの原理を発見して作ったのもイスラーム文明で、カメラという言葉は『カメラオブスキュラ』というアラビア語が語源です。医学や数学はイスラーム文明の功績が本当に大きい。皆さんの身の周りには、たくさんのイスラーム文化がありますが、それを知らない人がとても多いです」
「このモスクに来たら、『わぁ、きれい!』と思うだけでなく、その美しさはどこから来ているのか、ぜひ考えてみてください。世界は自分が思うよりずっと広いのだと感じてほしいですね」
見学は5名以下の場合は予約不要で、毎日10時~18時まで可能です(金曜日は14時~)。毎週土日祝日14時半からの日本語ガイド付きのツアーも予約不要。この日時以外のツアーや、5名以上の団体見学、ガイド希望の場合はHPから申し込みが必要です。

礼拝堂内で撮影してSNSなどにアップするのはOKですが、営利・非営利問わず目的のある撮影は事前に東京ジャーミイに連絡を。信者の顔の撮影は本人の許可が出ればOKですが、集団礼拝中や、礼拝している人を前面から写すのはNGなので注意しましょう。
写真映えスポット盛りだくさんの東京ジャーミイ。写真撮影を入り口に、気軽に異文化体験を楽しんでみては?

特別な場所だけに服装や撮影方法などに色々とルールはありますが、その文化の違いはきっと、知らない世界を知る良いきっかけになるはずです。

(五十嵐綾子+アリシー編集部)
五十嵐綾子
五十嵐綾子
OLAB世代ど真ん中のフリーランスライター・編集者。史学科出身&世界遺産検定1級の世界史系歴女でもあります。知らない世界に飛び込むことや新たな発見をすることが大好きなので、読者の皆さまの世界が広がる記事をお届けします! ※背景画像撮影:中里健太(@LENS_BLOG_)
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女性向けに情報を発信するWebメディア「アリシー」は、2019年6月13日をもってサービスを終了しました。グルメやファッション、マンガ・エッセイなどアリシーの一部コンテンツは、姉妹サイト「ママテナ」に移管しております。引き続きお楽しみください。
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