メディア個別 SNSだけの繋がりからリアルな世界へ/松下侑衣花 #卒業コラム | アリシー- olab.info

アリシー

自分をスキになるって、意外とカンタン。
さよなら、平成。私も前に進むよ。
SNSだけの繋がりからリアルな世界へ/松下侑衣花 #卒業コラム
想いを文字にしてみる。

SNSだけの繋がりからリアルな世界へ/松下侑衣花 #卒業コラム

アリシーの3月特集は「想いを文字にしてみる」。3月11日の“コラムの日”にちなんで、人気作家やコラムニスト、漫画家など様々な方々に“卒業”をテーマとしたコラムを依頼。美容家の松下侑衣花さんにも寄稿いただきました。

「“卒業”をテーマに、コラムを寄稿してほしい」と、アリシー編集長の藤田さんから声をかけていただきました。そのとき、パッと私の頭に浮かんだことは、“インターネットだけの繋がりからの卒業”。

フリーランスになって約4年が経過。2019年4月から5年目に突入する。この4年間、有難いことに仕事が途絶えたことがない。自分から営業に行ったことも一度もない。
資金も、実績もない私が仕事をし続けることができたのは、インターネットの恩恵を受けているからに違いありません。

数年前に何気なく始めたSNSで美容の発信をし続け、今ではInstagramとTwitter合わせて約6万6千人の方々にフォローしていただいています。仕事の依頼は、だいたいSNSのダイレクトメッセージでいただくことが多く、「SNSを通じてじゃないときっと一緒にお仕事をさせていただく機会はなかっただろうな」と思うような人や企業もいて、そのたびに「SNSをやっていて、本当に良かった」と実感。

実際に会わなくても、文脈から人となりを想像することができたり、気軽にコミュニケーションをとったりできるのがインターネットの良いところ。でも、それは逆の意味にもなり得る。

私がまだまだ未熟者なせいで、時に言葉足らずだったり、言葉選びを間違えたりして、本当に伝えたかったこととは違う意味で伝わってしまうことも。さらに、インターネットでしか繋がっていない人の中では「話しかけにくそう」「ツンツンしていそう」と、松下侑衣花のイメージが出来上がっているよう。

それがとても寂しくて、とてつもなく孤独を感じるときがある。もちろん、インターネットで発信するということは、受け取る側が解釈するもので、例えば100人いれば100通りの受け取り方があるくらい、ズレが生じやすいものだということは理解している。そう伝わってしまうのは自分の技量が足りないからということも理解している。
色んな伝わり方があることを理解しているけれど、あまりに違う意味で伝わってしまっていると「本当はそういう意味で伝えたいんじゃない」、「本当はそういう人間じゃない」と全力で伝えたくなる。でも、インターネットでは、他者に伝えるときに重要な役割を果たす要素がほとんど備わっていない。表情、声色、話し方、空気感。

気持ちや感情はこの4つの要素から伝わるもので、コミュニケーションにおいて必要不可欠なものなのに、インターネットではそれが実現しない。

去年から、イベントやセミナーに登壇させていただく機会が増え、インターネット上でしか繋がっていなかった人たちと直接お会いしました。そのときにほぼ全員から言われたことは、「もっとクールな人だと思っていたけど、実際は気さくで話しやすいんですね」ということ。

自分のことをクールだなんて一度も思ったことがない私にとって、そう言われたことが意外だった。また、「インターネット上での私はそんな風に見られているんだ」という新たな発見だった。

実際に会わなくても、文脈から人となりを想像することができたり、気軽にコミュニケーションをとったりできるのがインターネットの良いところ。だけど、だからといって、インターネットだけに頼るのはとても怖い。それは時に寂しさや孤独を生むことがある。

“インターネットだけの繋がりからの卒業”を意識して、今年からはイベントやセミナー、メイクレッスンなど、直接会える機会をさらに増やそうと思っています。実際に会うことで、インターネット上では伝えきれないコスメやメイクの魅力、松下侑衣花のリアルな人となりを伝えることができるから。

また、仕事面だけではなく、プライベートでも。インターネット上で繋がっていると会わなくても会った気になってしまいがちだけれど、時間を共有して、顔と顔を合わせてコミュニケーションをとることで信頼関係を深めることができるから。

実は最近、足繁く通っているお寿司屋さんがある。一人でふらっと行ったり、知人と一緒に行ったり。お寿司屋さんといってもカチッとしたようなところではなく、他のお客さんとも仲良くなれるようなカジュアルな雰囲気。仕事に関する難しい話は一切なく、ただただ楽しく話せる場。

フリーランスで自宅作業が主な私の仕事柄、意識して外出したり、誰かと連絡をとったりしないと、気付いたときには「ここ一週間、コンビニの店員さんとしか話してない……」なんてことになりがち。だから、こういう場は私にとってまるでオアシス。
24時間ずっと仕事のことを考えてしまうから、あえて仕事のことを何も考えない時間をつくって、仕事とプライベートのメリハリをつけることが、より良い仕事をするためにも大切だと実感しています。

今の私にとって一番贅沢なことは、利害関係なしの人と一緒にいる時間。“ただただ一緒に居たいからいる”、そんなシンプルな人間関係を築くことが大人になってからだと途端に難しくなります。
だからこそ、利害関係なしに時間を共有できる人はとても貴重で、かけがえのない存在。そういう人といると、心にぽっかり開いた穴が少しずつ埋まっていく感覚、ストレスがじわ〜っと溶けていくような感覚に。それが何よりも心地良い。

インターネットが主流の現代だからこそ、インターネットだけの繋がりから脱却してリアルの場も大切に。
今までインターネットだけに頼りっきりだった自分からは卒業。これからは、リアルな新しい世界で生きていきたい。

(松下侑衣花+アリシー 編集部)