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頭の中がすっきり! 朝坐禅で気持ちよく1日をスタートしよう

頭の中がすっきり! 朝坐禅で気持ちよく1日をスタートしよう

朝4時、スマホのアラーム音と共に起床。なぜこんなに早起きなのかというと、今日は無料で参加できるお寺の早朝坐禅会に行くのです。まだまだ真っ暗な中、始発電車に乗り込みました。

■初めての坐禅会へ! 初心者向けの指導もあり

坐禅会が行われるのは、東京・世田谷区の龍雲寺。田園都市線・駒沢大学駅もしくは、東急東横線・学芸大学駅から徒歩15分ほどの場所にあります。

閑静な住宅街を進むと、荘厳な門が突如として出現。こちらが龍雲寺です。境内は高い塀に囲まれ、緑も豊かなので、周囲の住宅街とは別世界感があります。

会場となる本堂には左側の階段からお邪魔します。入口にはこんな案内が。スマホをそっとOFFにします。

※写真はイメージです。坐禅会中の撮影はできません。

本堂内には80枚ほどの座布団がずらり。坐禅会は6時半スタートで、10分前に入りましたが、既に20名ほどが坐禅を始めていました。私語をする人も、大きな物音を立てる人もおらず、ピリッと張りつめた空気です。

徐々に参加者が集まり、やがて座布団はほぼ満席に。中年男性が多めですが、若い女性やお子さん、外国の方も見られました。

初参加者にはスタート前に別室で説明があり、坐禅で調えるべき3つの事柄を教えてもらえます。

■坐禅時の3つのポイント

1) 姿勢を調える

右足を左腿に、左足を右腿に乗せる「結跏趺坐(けっかふざ)」というスタイルが基本です。この体勢が難しい人は、片足をもう片足腿に乗せる「半跏趺坐(はんかふざ)」でもOK(写真は半跏趺坐)。この坐禅会では、足が苦しくなったらあぐら姿勢に直しても良いのだそう。

手は下腹部で、右手の平に左手を重ね、両親指をくっつく寸前まで近づけます。「法界定印(ほっかいじょういん)」という組み方です。

頭は上から糸で引っ張られるようなイメージでまっすぐ伸ばし、顎を引きます。

坐禅中は目をつむる人もいますが、かえって色々と雑念がわいてくるので、1.5m先に目線を落としてぼんやり眺めるくらいの「半眼」が良いとのこと。

2) 呼吸を調える

坐禅中は腹式呼吸です。ゆっくり息を吐き切り、その反動で静かに息を吸うことを繰り返し、だんだんと穏やかな呼吸に調整していきます。

3) 心を調える

「無心になる」ことをイメージしがちですが、「何も考えてはいけない」わけではないそう。鳥が鳴いていても、「どんな鳥だろう」と考えを連想させず、何か一つのことに心を集中させます。心の中で呼吸を1から10まで数えることを繰り返しながら、呼吸に集中する「数息観(すそくかん)」もおすすめだそう。

■カラスに車にお賽銭……周囲の物音との静かな戦い

レクチャーを受けたら、早速本堂に戻って実践です。坐禅は1炷(「いっしゅ」と読みます。「1セット」の意味)25分で、途中2回の休憩を挟んで全3炷あります。

※写真はイメージです。坐禅会中の撮影はできません。

姿勢と呼吸を調え、「さぁ集中!」と意気込んで始めました。が……

グァーッ! グァーッ! (カラスの鳴き声)
シューンンン……(車が通り抜ける音)
チャリーン(外で誰かがお賽銭を入れる音)

堂内が静かゆえ、さまざまな音が聞こえてきます。視界の端で他の参加者がモゾモゾ動く様子も見え、いろいろなことに気が散ってしまう……(汗)。

モヤモヤする私にさらなる試練が。空腹で、猛烈にお腹が鳴りそうになったのです。盛大にお腹を鳴らすわけにはいかないと、必死に「お腹を鳴らさないこと」だけに意識を向けました。

すると不思議なことに、周りの物事を感じはするものの、だんだん気にならなくなっていったのです。これが「一つのことに集中」ということなのでしょうか……(ちなみにお腹も鳴りませんでした!)

しかし、初心者の集中は長くもたず、また徐々に周囲のことが気になり始めます。今にも眠りそうに身体が揺れている人、相変わらず鳴き続けるカラス……。

そんな頃合いをわかっているのでしょうか、和尚さんが木の棒を持って本堂に現われました。坐禅と聞いてイメージする人も多い「警策(けいさく)」です。坐禅する人の肩を棒で叩きますが、体罰ではなく、心をリセットして、集中し直すために行うものだそう。

※龍雲寺では前方からの警策でした。お寺により異なります。

多くの参加者が希望し、堂内の至るところでパシパシと音が鳴り響きます。私も希望すると、両肩に2発ずつ、固い木の棒がバシッと打ち込まれました。予想以上に痛い! ですが、モヤモヤが消えるような感じもあり、残りの時間は集中しやすかった気がします。

終了の音が鳴ると、眠りから覚めた時のような感覚でした。少しぼーっとするけれど、頭には余計な考えもなく、なんだかすっきりしたような気がしたのです。

この後、別室で気軽に仏教のお話をする「茶礼(されい)」などがあり、9時ころには解散しました。

■坐禅はゴミ捨てと同じ!? 見返りを求めない姿勢が大事

坐禅で大切なことは何なのでしょうか。住職の細川晋輔さんにお話を伺いました。

――坐禅後、すっきりした気分になりました。なぜでしょうか?

「実は、わかりません(笑)。坐禅はもともと2500年前にお釈迦様が悟りを開いた時の格好なので、私たちも同じことをすれば悟れるのでは、という考えが始まり。足や手の組み方も、医学的根拠があるからではなく、その姿勢でリフレッシュできたという体験を2500年間繋いできただけなのです」

――根拠があるからやっているのではないのですね。

「ひたすらやってみると後から効果がついてくる、というニュアンスです。

私はこの坐禅会をゴミ捨て場だと思っています。ゴミ捨てと同じで、坐禅では何かを得ようとしてはいけないのです。私たちはお金をもらえないと働く気がしないなど、どうしても見返りを求めてしまいますが、坐禅では求めません」

――見返りを求めずひたすら実践すると、どんな状態になるのでしょう?

「心と身体を調え、一つの問題だけを考えて向き合うと、自然と答えが出てくるというのが、龍雲寺が属する臨済宗の考えです。今まで気付けなかった本当の自分に気付けると思います。鳥の鳴き声が気になったように、今までそこにあったのに見過ごしていたことに気付く場でもあるのです」

――読者にメッセージをお願いします。

「日曜の朝に坐禅を組めば、月曜からまた新鮮な気持ちで仕事などに取り組めると思います。仕事に忙殺されて、自分の心の声や悲鳴に気付いていない人もいるでしょう。忙しい皆さんだからこそ、1週間に2時間くらい、自分と向き合ってみるのも良いのではないでしょうか」


初回から「問題の答えが出てくる境地」までは流石に至れませんでしたが、気持ちがスカッとしたのは確かです。私も多少は何かを捨てられたのかも。

ちょっとお疲れ気味な人は、坐禅で自分と向き合う時間を作ってみては? 座布団の上に心にある何かを置いてくるような時間は、とても気持ち良かったですよ。


(五十嵐綾子+ノオト)



written by

五十嵐綾子
五十嵐綾子
OLAB世代ど真ん中のフリーランスライター・編集者。史学科出身&世界遺産検定1級の世界史系歴女でもあります。知らない世界に飛び込むことや新たな発見をすることが大好きなので、読者の皆さまの世界が広がる記事をお届けします! ※背景画像撮影:中里健太(@LENS_BLOG_)
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