メディア個別 新しい世界を開拓したい人、必見。漫画家・ポレポレ美が“ひとり旅”にこだわるワケ | アリシー- olab.info

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自分をスキになるって、意外とカンタン。
ちょっとだけ、羽目はずしたい夏。
左からポレポレ美さん、アリシー副編集長・藤田佳奈美
アリシー作家連載陣企画

新しい世界を開拓したい人、必見。漫画家・ポレポレ美が“ひとり旅”にこだわるワケ

自身のトラブルまみれの旅の様子を描いたアリシーの人気マンガエッセイ、『アヴァンチュールを求めて』。その著者であるポレポレ美さんは、代表作『今日も拒まれてます』で自身のセックスレス体験を赤裸々に綴るなど、体当たりな作風で目の離せない存在です。なぜ、ポレ美さんは旅に出るのか? これまでの旅で何を得たのか? そもそもどういう人物なのか? 副編集長の藤田佳奈美が根掘り葉掘りお聞きしました。

■はじまりは、出版社への売り込みから

▲藤田佳奈美

藤田:私がポレ美さんの存在を知ったのは、Twitterがきっかけだったんです。ある日、タイムラインに作品が流れてきて、「面白い描き手さんだな」と思って調べてみたら、『今日も拒まれてます』というセンセーショナルなタイトルの作品にたどり着いて……(笑)。これはぜひ、アリシーでも執筆をお願いしたいとご連絡したんです。

ポレ美:ありがとうございます。アリシーではレシピの記事などをよくチェックしていたので、オファーをいただいた時はすごく嬉しかったです。ズボラ飯系の記事とか、とても重宝しています。

藤田:ポレ美さんはいつごろから漫画やイラストを描いているんですか?

ポレ美:今から15年くらい前からですね。まだ地元・富山で短大生をやっていたころに、東京の出版社に片っ端から持ち込みをしたのがきっかけでした。そして卒業してから東京へ出てきたんです。

藤田:それはすごい! 富山にいながら出版社に作品を持ち込むなんて、行動力ありますね。

▲ポレポレ美さん

ポレ美:書店に置いてある雑誌の奥付を見て、次々にいろんな編集部に電話をかけたのですが、やはり大手のファッション誌などはあまり相手にしてもらえなくて。イラストを描かせてもらえるならこの際、贅沢は言っていられないなと、芸能ゴシップ誌やエロ雑誌などにもどんどん売り込みました(笑)。

藤田:この世界に入る足掛かりになればいいと、割り切っていたんですね。

ポレ美:そうですね。どんなジャンルであっても、自分のイラストがお金になるなら、これほど幸せなことはないと思っていましたから。

■自身の体当たりエピソードをコミカルに描くスタイルに

藤田:そのままこうして漫画家として活躍しつづけているのは、素晴らしいことですよね。

ポレ美:私がラッキーだったのは、ちょうど携帯電話向けのコミックサイトが立ち上がり始めた時期と重なったことです。おかげで意外とコンスタントに依頼をもらえて、最初から月に12~13万円くらいの収入がありました。

藤田:最初はイラストレーターだったポレ美さんが、こうして漫画を描くようになったきっかけは何だったのでしょう?

ポレ美:イラストを描いているうちに、体験漫画で描いてほしいというリクエストが少しずつ増えてきて。とくに二十歳そこそこのころは、風俗店を取材して来いとか、新橋で物乞いをして来いとか、変わった依頼をたくさんいただきました(笑)。そうした仕事の延長で、気がつけば漫画をメインに描くようになっていったという感じです。

藤田:めちゃくちゃカラダ張ってますね(笑)。ポレ美さんのたくましさの一因がわかった気がします。アリシーで連載していただいている『アヴァンチュールを求めて』でも、そうしたノリの一端が感じられますよね。

ポレ美: アリシーみたいなキレイなメディアに私なんかが描いていいのか、心配になることもありますよ(笑)。

藤田:むしろアリシー読者にぴったりだと思いますよ。ポレ美さんの作風って、いもむし女子の皆さんのちょっとネガティブな部分をコミカルに肯定してくれますし、笑いながら元気づけられている人がたくさんいるはず。

ポレ美:そう言っていただけるとホッとします。たまに読者の方からメールをもらうことがあるのですが、「実際に旅に行ったような気持ちになりました」と言われると、何よりも嬉しい気持ちになりますね。

■ひとり旅だからこそ味わえるもの

藤田:アリシーで連載をお願いした際、テーマをどうするか、けっこう話し合いましたよね。旅のほかにもいくつか候補が出ていたような……。

ポレ美:「ふんどし」なんてテーマも挙がってましたね。「実際にふんどしを履いてみた」とか、体験ルポ的な方向で(笑)。多分すぐにネタ切れしていたでしょうから、旅モノにしておいて本当に良かったと思います。

藤田:たしかに、ふんどしでどうやって連載モノやるんだっていう(笑)。ちなみにこれまで、何カ国くらい行かれてるんですか?

ポレ美:数はたいしたことなくて、たぶん15~16カ国だと思います。ただ、基本的にひとり旅ばかりなので、毎回濃密な体験になりがちなんですよ。

藤田:それは作品からもたっぷり伝わってきますよね。ポレ美さんがひとり旅にこだわる理由は何ですか? ひとり旅で得たものなんかも知りたいです。

ポレ美:1人のほうが楽なんです。もし旅先でお腹を壊しても、自分だけなら「今日はもう1日寝てればいいや」とできますし、たまたま出会った人の誘いにも乗りやすいですから。家族や友達との旅行ももちろん楽しいですけど、振り返った時に思い出として印象深いのは、ひとり旅ばかりなんですよね。

藤田:私は逆に、ひとり旅をしたことがないんです。そもそもビビリなので、怖いんですよ。以前イタリアへ行った時も、水を買う際に言葉が通じなくてまごまごしていたら、レジの女性に「チッ」と舌打ちされてひるんじゃいました(笑)。

ポレ美:私も不安がないわけではないし、実際にイヤな体験もたくさんしているんです。愚痴を吐く相手もいませんから、1人で落ち込んでいることも少なくありません。むしろイヤな思いをすることの方が多かったりする。でもその分、1人で決めた行き先でささやかに嬉しいことがあると、イヤなことがぜんぶ帳消しになるんですよ。

藤田:なるほど。ひとり旅だといいことも独り占めできるし、それはイヤなことを超越するほどいいことなんですね。そんないいことって、日常にはそうそうないような……。ひとり旅の醍醐味ってそういうことなんですね。

ポレ美:そうですね。それに最近は、こういう連載をやらせてもらっているおかげで、トラブルが起きても「いいネタができたぞ」と思えるようになりましたし(笑)。

藤田:ラオスのサウナで、肌が真っ黄色になってしまった体験なんて、その最たるものですよね。まだまだ未公開のネタもたくさんありそうですし、連載の今後が楽しみです。

後編につづく


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(友清哲+編集/藤田佳奈美)

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どんな蝶になるかはまだわからないけれど、どんな蝶にもなれる可能性を秘めた、伸び代がある「いもむし女子」が、日常をほんの少し変えるべく、趣味を開拓したり、苦手なことに挑戦します。フツウの自分のままでいいから、まずは一歩踏み出す。いもむし女子が頑張るプロジェクト、始まります!
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